米航空宇宙局(NASA)は6月3日、火星探査機「MAVEN(マーベン)」の正式な運用終了を発表した。MAVENは2013年11月に打ち上げられ、2014年9月に火星軌道へ到着。当初のミッション期間はわずか1年だったが、その科学的価値から何度も延長されてきた。2025年12月6日、火星の背後を通過した後に信号が復旧せず、以降、地上との通信は一切確立されていない。今年2月、NASAは異常調査委員会を設置して復旧の可能性を評価したが、最終的な結論はミッションチームのこれまでの判断と一致し、探査機は正常に復旧できず、科学観測やデータ中継任務を継続できないとされた。
調査分析によると、MAVENは火星による遮蔽領域を脱出した時点で高速スピン状態にあり、軌道姿勢に異常が発生。その後、搭載バッテリーが枯渇し、通信システムへの電力供給が断たれ、永久的な通信不能に陥った。ただし、異常の根本原因は特定されておらず、最終的な調査報告書は年内に公表される見通し。NASA惑星科学部門のルイーズ・プロクター氏は、MAVENが火星の超高層大気、電離圏、およびそれらと太陽活動との相互作用を長期間観測し、蓄積されたデータは火星大気の進化、古代の液体水の存在、惑星の居住可能性といった重要な問題の解明に不可欠であると指摘。さらに、将来の有人火星ミッションにおける放射線防護と安全設計の重要な基盤を提供するものであり、„そのデータは今後数十年にわたって活用され続けるだろう“と述べた。